●極上和本YM4573●江戸明治和本等＞英傑三国志伝（正続2編7巻7冊）＋改題本「画本英傑銘々伝」1冊

■英傑三国志伝（正続2編7巻7冊）＋改題本「画本英傑銘々伝」1冊

【判型】中本8冊。縦173～181粍。

＊以下、全巻にわたる解説です。

【作者】秋草庵（秋艸庵・南寿山人）作・序。歌川貞芳（梅窓園・魁春亭）画。

【年代等】弘化5年～嘉永3年刊。［大阪］藤屋菊治郎（靖共閣）板。別に知不足斎（智不足斎）板（続編1巻・2巻）。弘化5年1月自序（正編1巻・3巻）。嘉永3年春自序（正編2巻）。嘉永2年5月刊記、嘉永3年刊（正編2巻）。

【備考】分類「絵画・伝記」。『英傑三国志伝』は、外題・序題等に「英傑続三国誌伝」「画本三国誌伝」「画本英傑銘々伝」「和漢見立三国志」「和漢美立続三国誌伝」等の異称がある。正編4巻（1～4編）、続編3巻（1～3集）合計7冊から成る。正編1巻の作者自序に「永禄・元亀・天正のころに当りて諸国縷（イトスジ）の如く乱れ、英雄蜂の如く起るを軍談者流まのあたり見るがごとく、妄誕無稽弁にまかせて英雄割拠のありさまを説を、世の人常に聞て口実とす…いまこの書の如きは、諸国の人物をあげ、中華呉魏蜀の三国の人物を見立にし、強臆を顕し、加ふるに絵をもつてす」と述べるように、16世紀後半、戦国～安土桃山時代の名将の数々を取り上げ、全頁に色刷り挿絵を掲げてその出自・略伝・逸話等を載せた絵本。内容は、正編1巻が「加藤肥後守清正」「福嶋左衛門大夫正則」「片桐東市正且元」など25人を上欄に紹介し、下段に「賤ヶ岳出陣の図」「清正勇戦の図」「福島正則高名の図」など21図を掲げる。正編2巻が「毛利大膳大夫元就」「毛利右馬顕輝元」「吉川駿河守元春」など16人と「元禄年内菊桐の御紋を賜る図」「鳥取の城とをまきの図」「吉川元春はしをたちて秀吉ごたいぢんの図」など22図、正編3巻が「織田正二位右大臣平信長」「織田三位中将平信忠」「北畠左中将平信雄」など18人と「蘭奢待を切る図」「信長公蘇鉄の怪異を怒給ふ図」「比叡山焼打の図」など21図、正編4巻が「北條左京大夫平氏政」「渡辺勘兵衛尉一雄」「三宅平大夫」など17人と「北条氏規、秀吉に謁する図」「河田八介、楢崎十兵衛大指物大母衣の図」「小田原責寄手の軍兵城外に戯図」など21図、続編1巻が「武田大膳大夫晴信入道信玄」「三好修理大夫長慶」「三好筑前守義長」など12人と「晴信初陣設備の図」「義輝公最期」「明智左馬介宝器を秀吉に呈する図」など22図、続編2巻が「浅井備前守長政」「遠藤喜右衛門春元」「磯野丹波守貞満」など13人と「信長、長政と佐和山に会す」「木下、君の危難を救ふ」「姉川合戦磯野勇戦」など21図、続編3巻が「朝倉左衛門督義景」「朝倉中務少輔景恒」「朝倉式部大輔景鏡」など13人と「京都の町人、信長卿の木陣に落首をたつる」「朝倉景恒勇戦の図」「越前金崎退城之図」など21図。

★原装・題簽付（1冊題簽破損）・状態良好。全7冊揃いは極めて稀で、他に所蔵無し。